31日の新興市場は、総じて堅調な展開となった。オンラインゲーム・萌え関連銘柄が相次いで急騰したほか、上方修正を発表した山加電業、重松製作所、セレブリックスなども大幅高となるなど、材料内包の銘柄が人気化。また、新規上場のジャパンベストレスキュー、オプテックスFAは買い注文殺到で値付かずの買い気配で取引を終えるなど、個人投資家の投資マインドは急速に改善しているようだ。まだ、時価総額上位の主力株の上値重さや、市場全体のエネルギーの乏しさ(売買代金が低水準)には課題が残るが、低迷した8月から脱却する土台は固まったといえそうだ。


 30日の新興市場は、ほぼ全面高の格好となった。時価総額上位の主力株が揃って堅調に推移。アエリア、ガンホーの急騰がオンラインゲーム、萌え関連銘柄にも波及するなど相場に活気が戻ってきたようだ。IBダイワ、南野建設など、相場の手詰まり感を反映する銘柄は利益確定売りに押され急落しているだけに、健全なマーケット環境となったのではないだろうか。

 また、この日新規上場したジャパンレスキューシステムは公募価格を約2倍の水準でも値付かず、直近IPOの一休、ブロードバンドタワーなども反発するなど、IPO銘柄に対する投資スタンスも徐々に改善しているようだ。売買代金はそれ程膨らんでないものの、今後の相場好転に期待を抱かせる日となった。

 29日の新興市場は、総じて売り優勢の展開となった。折りからの相場軟調に加え、ジャスダック市場のシステム障害発生が投資家心理を一層悪化。楽天、JCOM、Eトレなど時価総額上位の主力株は軒並み安となった。ただ、IBダイワ、南野建設などが主導する形でジャスダック平均は年初来高値を更新するなど、障害に伴なう影響は比較的軽微に済んだようだ。また、分割権利落ちを経て、鉄人化計画、ガンホー、クリーク&リバーが2日連続S高、好材料を背景にダヴィンチ、ITX、アエリアなど急騰し、ヘラクレス指数は上昇、マザーズ指数の下げも小幅に留まった。
 東証1部市場が一部の仕手株、石油関連銘柄を除きほぼ全面安となった一方で、新興市場の底堅さが窺えた。調整色を示している東証1部から新興市場への資金回帰も時間の問題か。

 26日の新興市場は、総じて買い優勢の展開となった。JCOMを筆頭に時価総額上位の主力株が総じて堅調に推移。また、分割権利落ちを迎えた鉄人化計画、アスカネット、アプリックス、ガンホー、クリーク&リバー、一六堂には買い注文が殺到。相次いでS高し、相場を下支えした格好だ。

 ただ、ジャスダック平均が3日ぶりに高値更新したとはいえ、新興市場が活況に推移しているようには思えない。個人投資家の投資家心理を反映する直近IPO銘柄が相変わらず冴えない動きをしているうえ、相場全体が反発したにも関わらず、売買代金は前日を下回るなど、市場エネルギーの乏しさは如何ともしがたい。相場反転には、売買代金の増加(ジャスダックでは1000億円程度に回復)が不可欠だろう。

 25日の新興市場は、全面安の展開となった。楽天を筆頭に時価総額上位の主力株が総じて軟調に推移。材料の出た銘柄(サムスンとのライセンス契約締結のアプリックス、好業績見通し発表のインテリW、レーザーテックなど)や、バイオ関連(DNAチップ、総合医科学など)、マーケットメーク銘柄(ATL、バッファローなど)の一角で値を飛ばす銘柄も散見されたが、市場全体への波及効果は限定的だった。また、権利付き最終日を迎えた8月末分割銘柄(最終日は堅調に推移する傾向あり)に対して、権利取りする動きも見らないなど、相場低迷を印象付ける格好となった。
 ただ、注目度があまり高くなかったUSC(上場3日目)が2日連続S高したが、今後冴えない動きを見せている他の直近IPO銘柄に買いが波及すれば、一気に相場反転に繋がる可能性もあろう。東証1部は主力株が利益確定売り、仕手性の強い銘柄が値を飛ばすなど、手詰まり感も見られるだけに、新興市場に資金が回帰するのもそう遠い時期ではないのではないか。
 24日の新興市場は、総じて売り優勢の展開となった。楽天など時価総額上位が軟調に推移。東証1部市場は後場上昇に転じた一方、新興市場は若干下げ幅を縮小するのみと閑散状態が続いている。ただ、上場2日目のUCSがS高、上場1週間のビスネットが急騰するなど、直近IPO銘柄への物色意欲が徐々に高まっているように思われる。直近IPO銘柄は個人投資家の投資家心理に連動しやすいだけに、今後の相場反転に向けたキッカケになりうるか注目されよう。 
また、25日は8月末分割銘柄の権利付き最終日を迎える。1対5の大型分割を実施するガンホーを筆頭に、2分割以上の銘柄が17もある。分割権利落ち後の乱高下は起きにくくなってはいるものの、権利付き最終日の後場に一段高となる傾向が多いだけにどのような動きを見せるか要注目だろう。

 23日の新興市場は、全面安となった。相場活況で高値更新が相次ぐ東証1部とは裏腹に新興市場の”夏休み”が続いている。時価総額上位の主力株が総崩れになったほか、直近IPO銘柄もほぼ全面安。一休が上場来安値を更新するなど、底割れする銘柄も散見されつつある。つくばエクスプレス開業を控え、萌え関連のまんだらけ、コーエーネットが人気化したが、影響は限定的だった。 

 直近では、スペースシャワーを筆頭に、ATLシステムズ、バッファローなど、マーケットメーク銘柄に人気化する銘柄が見られる。振り返ってみると新興市場の相場が低迷した昨年12月、今年4月などに見られやすいに現象に映る。その後は、新興市場が比較的堅調にするケースが多いだけに、もう暫くの辛抱だろうか。

 22日の新興市場は、総じて買い優勢の展開となった。東証1部市場が後場一段高となると、歩調を合わせる形で新興市場も上昇した。ただ、楽天、JCOM、インデックスなど時価総額上位の主力銘柄で上値の重かったほか、先週末に比べてジャスダック市場は1割減、マザーズ市場に至っては反動減とはいえ、約半分まで落ち込むなど、いまいち盛り上がりに欠けた。なお、この日からヘラクレス市場では複数気配表示が中止された。板情報を依り所とした投資家の離散→流動性の低下→新興市場の低迷という懸念をしていたが、ガンホー、ブロードバンドタワーの急上昇を見る限り、杞憂に終わったようだ。
 19日の新興市場は、総じて売り優勢の展開となった。主力株を中心に利益確定売りに押され軟調に推移する銘柄が目立った。とりわけ、堀江社長の衆院出馬表明を受けて高値更新したライブドアが、引けにかけて急落したことも利益確定売り気運に拍車をかけたと言えそうだ。
 ただ、マザーズ市場の売買代金が前日比1.5倍に膨らみ過去最高額を記録するなど、投資家の物色意欲は旺盛。ぐるなびなど、6月末に分割した22銘柄で新株の効力が発生したが、特に大きく売り込まれる銘柄は見られず、需給環境の好転が窺い知れる。